「定期的な歯のお掃除が大切なのはよくわかっているけど、つい面倒で・・・」とおっしゃる方は少なくありません。歯の定期健診やクリーニングは、健康な歯や治療を行って良くなった歯を良い状態に保つためには欠かすことができません。しかし頭ではわかっていながらも、つい定期健診やメンテナンスに行かないと、大切な歯が大変なことになってしまうのです。

定期健診を受けずにいるとどんなことが起こるの・・・?

「これまで虫歯もなく、どの歯も痛くないし、食べ物も美味しくいただけて調子はとてもいい」、と言われていた方の前歯が歯周病を発症し、次第に前歯がグラグラと動き始めて、最終的に歯を失った方がいました。ご本人は「これまで何もなく過ごしてきたからいちども歯医者に行ったことがなかったそうです。抜けてしまった前歯のない自分の顔を鏡で見て、大きなショックを受けられていました。

この方に限らず、特に調子が悪いことはないからと、あまり歯科医院を受診しない方は多いと思います。そしてそれは、比較的高齢者層に多いことが注目すべき点でもあります。

今は歯の予防の認識が浸透してきたこともあり、若い世代の患者さんは歯のケアや美意識がそれなりに高いのですが、昔の歯科治療は治療が中心で、今のように歯の予防はあまり推進されていませんでした。

その影響があるのかどうかは定かではありませんが、特に高齢者層では「歯医者=歯が悪くなってから行くところ」という認識は未だ強いのではないかと思われます。

今歯を失う二大要因は虫歯と歯周病と言われています。特に歯周病は虫歯のように痛みをあまり感じないまま症状が進行するため、気が付けば歯が揺れ始め、抜け落ちてしまう悲しい結果を迎えてしまうのです。

 

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歯の健康を守る定期検診

定期健診は、歯の調子が良いからこそ受けるべき検診です。定期健診を受けることで、自分では自覚のない虫歯や歯周病が発見されることも多く、早期発見から早期治療へと繋ぐことができます。

特に神経を取った歯は痛みを感じることがありません。そのため被せ物の下で虫歯が再発する二次カリエスは自分ではなかなか気づくことができませんが、二次カリエスはは再治療を繰り返し、歯の寿命にも大きく関わってきます。早期に治療を行えばそれほど大掛かりな治療にならないことが多いでしょう。

 

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定期健診では歯科医師が口腔内を確認し、異常がないかどうかを確認します。その後歯科衛生士が歯石除去や歯のクリーニングを行い、歯周病の元になるプラークや歯石を取り除きます。また入れ歯をお使いの方は噛み合わせや金属バネ(クラスプ)の具合などを確認し、きちんと噛めているかどうかをチェックします。インプラントの方はインプラント周囲炎になっていないか、噛み合わせは正常かどうかなど、お口の中の状態に合わせた処置が行われます。子供の場合は、むし歯のチェック以上に大事なことは歯並びと咬み合わせのチェックです。歯並びに問題があると顎がずれたり、顔が左右対称でなくなったり、むし歯や歯周病のリスクが上がったりするなどの弊害が起きることがあります。お子様の定期健診のときには歯並びのチェックもしてもらうようにしましょう!

 

失ってはじめて歯の大切さを痛感するものです

「歯がなくなったら入れ歯にすればいい」と簡単に思われるかもしれません。確かに歯を失った場合、噛む機能を取り戻す治療法を行って見た目も機能も回復させることができます。

しかし、自分の歯で食べ物を噛んで美味しくいただけることほど幸せなことはありません。歯は失ってはじめてその大切さを痛感します。大切な歯を長持ちさせ、いつまでもご自身の歯で食事を楽しむことができることは体の健康に繋がるのです。

定期健診は是非受けていただくことを強くお勧めします。