全身の病気は歯と歯ぐきから

【歯周病は全身に影響を与える】
歯周病は文字通り『歯の周囲の病気』ですから、これまで治療や研究は歯科の専門分野として位置づけられていました。ところが、近年相次いで発表された研究結果から、歯周病は単に口の中だけに起こる病気ではなく、全身に色々な形で悪影響を及ぼしていることが分かってきました。

なぜ歯周病が全身に影響を及ぼすのかは完全に解明されたわけではありません。しかし、歯周病が進行する歯周ポケットは、組織が破壊されたり炎症が起こったりしていて、いわば『怪我をした後に傷が開いたままになっている状態』です。加えて歯周ポケットは適度な温度に保たれていること、歯垢が除去されにくいことなどから膨大な数の細菌が暮らしています。

傷口がいつも開いたままの状態で、しかもそこに多数の細菌が住み着いているのですから、歯周ポケットから血液の中に細菌が入り込んで全身に歯周病菌が回っていき病気が発症したとしても不思議ではありません。具体的には、がん・心内膜炎・動脈硬化・肺炎・早産などの原因のひとつが歯周病菌であると言われています。
歯周病と全身疾患の関係500