● 歯の健康から口腔の健康へ
口腔疾患は、 命を直接脅かすことは少ないですが、“食べること・話すこと・笑うこと・表情を作ること”といった感情表現にも影響を及ぼすので、精神的な健康に悪影響を与える可能性があります。WHO(世界保健機関)の定義にあるように、健康とは『単に病気がなく病弱でないというだけでなく、身体的・精神的・社会的に良好な状況』を言い、この概念に基づき単に身体的な健康のみでなく、高い『生活の質(人生の質)』すなわち『QOL=Quality Of Life』があってこそ、真の『健康』といえるでしょう。
咀嚼能力がQOLの向上に関与しているというデータもあり、『よく噛めること』は、日常活動・全身的な健康・心の健康に重要なため、歯単体の話ではなく、咀嚼する『機能』を維持することが重要視されはじめています。2006年の介護保険法の改正に伴い、介護予防のための新規サービスとして『口腔機能の向上』が加えられ、厚生労働省では口腔機能向上のためのマニュアルも提案され、その重要性がクローズアップされるようになりました。
単に健康な歯を目指すのではなく、口腔機能を維持させるために健康な口腔、そして全身的にも精神的にも良好な真の『健康』を目指していきましょう。
● 8020運動

「パーセンタイル曲線でみるあなたの歯の数」の使い方
横軸は年齢、縦軸は歯の数です。歯の数とは、根があれば歯の数に入ります。差し歯や銀歯も歯の数に入ります。インプラントは歯の数には含みません。
▼年齢と歯の数の交わる点で同年齢での100人中の順位がわかります。
例えば、55歳で歯の数が20本の人は、図中で★印の75パーセンタイル曲線のところに重なります。同じ55歳で歯の数の多い方から100人中75番目であることがわかります。
▼自分に近い曲線をたどっていくと、将来自分の歯の数がどうなっていくかの予測ができます。
例えば55歳で歯の数が20本の人は★印位置で75パーセンタイルなので、将来80歳になった時は1本も歯が残っていないことになります。
80歳で20本の歯を残そうとすればだいたい15パーセンタイル曲線より上に入っていなければ
なりません。つまり、40歳では28本、50歳では27本、60歳では26本、70歳では24本の歯が
残ってないと80歳で20本を達成することはできません。図では40歳過ぎてから急激に右肩
下がりになり、歯が失われていく傾向がはっきり分かります。
8020運動とQuality Of Life
旧厚生省(現厚生労働省)と日本歯科医師会が1989年に提唱した「80歳で20本の歯を残そう」という8020運動は、歯科界はもちろん一般にも浸透し、『健康日本21』の目標値にも加えられ、国民全体の口腔健康目標の重要な項目となっています。(永久歯の数は、親知らずを除いて32本です。最近のデーターでは、80歳の方の平均残存歯数は、8本です。ちなみに、40歳で25本、50歳で21本、60歳で13本、70歳で8本です。アメリカやスウェーデンでは80歳で15~18本も残っているそうです。)
「何でもおいしく食べられる」幸福は、健康な口腔あってこそです。8020の示す20とは、「何でもおいしく食べられる」ために必要な最小限の歯数であり、これには、残存歯が20本を下回ると咀嚼能力が著しく低下するという様々な疫学調査による根拠があります。何でも自分自身の歯で食べることでQuality Of Lifeを向上することができます。
残存歯数が20本を下回ると、ナッツ類・ステーキといった比較的硬い食品群が噛めなくなり、歯数が14本以下になるとはんぺんや米飯といった比較的やわらかい食品まで噛めなくなる傾向にあるという報告があります。逆に言うと、これは20本以上の歯を残すことで、咀嚼機能を維持できることを示しています。また、残存歯数20本未満の郡は、20本以上の郡に比べて「不健康にやせている人」の割合が有意に高かったという報告もあり、咀嚼能力の低下が適切な栄養摂取の障害になっている可能性を示唆しています。皆さん、80歳で20本以上の歯を残すために、定期的な歯科検診を受けにお近くの歯科医院に行きましょう。
にしお歯科の電話番号は、06-6873-
8020 です。
定期健診の重要性
画像をクリックすると次に進みます。
※初めに戻る場合は、ブラウザで再読み込みをしてください