<MAMApicks.jpより>

毎年6月4日から10日までの1週間は「歯の衛生週間」。とくに「6月4日は虫歯 の日」と、幼いころに刷り込まれたせいか、6月になると歯のことが気になって くる。  子どもを産んでからは、子どもが虫歯にならないよう、乳歯が生え始める前か らガーゼで歯ぐきをぬぐったり、歯が出てからはイヤがる子の身体を押さえつけ ながら強引に磨いたりと、相当気をつけていた。

お陰で7歳の長女はいまだ虫歯はなし、1歳半の次女も姉を真似てムラはあるも のの磨いてくれる……と安心していたのだが、あるとき、自分の歯が気になりだ した。冷たいものがしみたり、磨くと出血することが多くなったりしてきたのだ。

私の住む自治体では妊娠中に1回、出産日から1年以内に1回、それぞれ無料で 歯科検診を受けられる。私は次女の産後1年になる前日に受診していた。  その際、自らも育児経験のある女性歯科医師に「お母さんは子育てで忙しいで しょうが、お母さんこそきちんと磨かないと。今から歯周病の予防をしておかな いと、更年期に影響がでてきて困るわよ」と言われていた。

もはや更年期といえる年齢ではあるものの、確かに、子どもの歯磨きには注意 してはいても、自分の歯磨きはササっと済ませていた。

「歯周病を防ぐには、歯垢(プラーク=磨き残し)がつかないように正しい歯 磨きをすることが大事。磨き方を教えてあげましょう」と言われたが、この日は 時間がなかったので、歯磨きレクチャーは「次回にします」と言って半年以上経 ってしまっていた。意を決して再訪すると…… 妊娠中はできなかったレントゲン 撮影をして、見た目ではわからない歯の骨の状態を見てもらったり、「隠れた歯 石」や炎症がないか、歯ぐきの溝もチェックしてもらった。

結果、中等度の歯周病とのこと。「正しい歯磨きの仕方」も教えてもらったの だが、その合間に見せてもらった「進行した歯周病」の写真に恐怖さえ覚えてし まった。

それは、40歳くらいの、やはり子育て中の女性のレントゲン写真。歯ぐきから 骨が浮いているような感じで、いまにもとれてしまいそう。

解説が遅れたが、歯周病とは歯垢によって、歯ぐきが腫れたり出血したり、最 後には歯が抜けてしまうコワイ病気だ。死に至るわけではないけれど、歯が抜け てしまうことで、モノが食べられなくなってしまう。食べるの大好きな私として は、それは絶対避けたいし、見た目だって美しくないだろう。

近年は、歯周病は心臓病や糖尿病など全身疾患との関わりがあることも指摘 されている。妊娠中にかかってしまうと、早産の可能性が高くなり低体重児が生 まれやすくなることも実証されている。

もちろん、歯周病は女性特有の病気ではないが、歯周病になりやすい原因の ひとつに、女性ホルモンが関連しているという。そのため、ホルモンバランス が大きく変化する初潮を向かえる思春期、妊娠・出産の時期、閉経前後の更年期 は、歯ぐきが腫れたり痛んだりして、歯周病も悪化しやすいそうだ。

そもそも妊娠中に歯科検診を推奨されるのは、「つわりがあるから歯磨きしに くい=虫歯になりやすい」、「子どもが生まれたら歯科検診に出かけにくい」と いう理由だと思っていたが、歯科医師によると、妊娠中ももちろんだが、産後に こそ注意を払ってほしいという。

というのも、子育てが忙しくて自分の歯磨きを疎かにしてしまった結果、子育 てが一段落したころ(=更年期直前)には、すでに歯周病が進んでいるというケ ースが多いからだ。 ネット上では「妊産婦歯科検診は出産前か後かどちらかいい か」との質問に「前」をすすめるコメントが多く見られ、「後」の検診の重要性 はあまり理解されていないようだが、その考えを改めたほうがよさそうだ。

留意しておきたいのは、更年期に歯周病が発症するのではなく、それまでの積み 重ねが結果として表れるという点。「気づいた時には手遅れ」にならないために は、30~40代からきちんとケアするのが大事なのである。

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そう気づいてからは、どんなに忙しくても、子どもが泣こうがわめこうが、1日1 回は鏡に歯を映しながら歯磨きをするようになった。 「お母さんは子どもに仕上げ歯磨きをするでしょうが、自分の歯を正しく磨けな ければ、子どもの歯もきちんと磨けないのよ」というかかりつけ歯科医となった 女性歯科医師の言葉を胸に、まずは自分の歯からしっかり磨く日々である。

※産後生活が少し落ち着いたら、歯科健診を受けて、レントゲン撮影を行い、細 かい部分のチェックをしてもらいましょう! 栄養指導やサプリメント指導をし てもらい体力向上して歯周病にかからないようにしましょう!