12月も半ばにさしかかり、そろそろクリスマスパーティーや忘年会、新年会など美味しいものがたくさん並ぶシーズンになってきました。楽しく美味しく過ごす一方、気を付けなければいけないのが、お口の健康管理。今回は、この時期だからこそ気を付けたいお口の健康管理についてお話いたします。

クリスマス・年末年始にこそ注意したい、お口の健康管理

クリスマスや年末年始は、一年の中でも特に楽しみの多い季節です。ケーキやチョコレート、和菓子、おせち料理、アルコールなど、普段よりも甘いものや食事の回数が増え、家族や友人とゆっくり過ごす時間が長くなります。一方で、この時期は生活リズムが乱れやすく、歯みがきやお口のケアがおろそかになりがちです。実はこの「油断」が、むし歯や歯周病を進行させる大きな原因になります。

年末年始はむし歯・歯周病リスクが高まりやすい時期

お口のトラブルといえば、むし歯と歯周病でしょう。むし歯や歯周病は、一日で発症するわけではありません。毎日の積み重ねによって静かに進行します。特に年末年始は、間食の回数が増えたり、だらだらと食べ続けたりする傾向があります。お子さんに至っては、冬休みということもあり、つい家の中でお菓子やジュースなどを口にしやすい環境になると思います。その結果、お口の中に糖分がある時間が長くなると、むし歯菌が活発になり、歯を溶かす酸が作られ続けてしまいます。

また、大人はお酒を飲む機会が増えることも注意が必要です。アルコールには利尿作用があり、体内の水分が失われやすくなります。その結果、唾液の分泌量が減少し、お口の中が乾燥しがちになります。唾液は、むし歯菌や歯周病菌の増殖を抑え、歯の再石灰化を助ける大切な役割を担っています。唾液が少なくなることで、むし歯や歯周病が進行しやすい環境が整ってしまうのです。

歯並びの悪さもむし歯に繋がりやすいかも?当院の部分矯正についてはこちら

忙しさと気のゆるみがケア不足を招く

年末は仕事や大掃除、年始は帰省や外出など、何かと慌ただしくなります。「今日は疲れたから歯みがきは簡単に済ませよう」「寝る前のフロスは明日でいいか」といった小さな手抜きが続くと、歯垢(プラーク)が蓄積し、歯ぐきの炎症や歯石の原因になります。

特に歯周病は自覚症状が少なく、痛みが出たときにはすでに進行していることも珍しくありません。年末年始の間に歯ぐきの腫れや出血が起こり、そのまま放置してしまうケースも多く見られます。年が明けてからでいいか・・・と軽く考えていると、実は歯周病が進行していた、という結果になりかねません。

歯周病もむし歯と同じで、一日二日で発症するわけではありません。しかし、歯周病のサインは分かりやすいため、しっかりとしたケアで進行を防ぐことは可能です。歯ぐきが腫れている、歯磨きのときに毎回出血するなどといった症状が見られるときは、歯周病のサインです。症状が悪化しないうちに、しっかりとしたセルフケアが不可欠なのです。

歯周病チェックリストはこちら

「食べない」ではなく「ケアする」意識が大切

この時期に大切なのは、「甘いものを控える」「楽しみを我慢する」ことではありません。ポイントは、食べた後のケアを意識することです。間食の後や就寝前には、できるだけ丁寧な歯みがきを心がけましょう。特に寝ている間は唾液の分泌が減るため、就寝前のケアは一年を通して最も重要です。

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間に残った汚れを効果的に取り除くことができます。外出先では、うがいをするだけでもお口の中をリセットする助けになります。

せっかく美味しい食べ物がたくさん並ぶシーズン、その楽しみを我慢することが必ずしもむし歯や歯周病にならない、というわけではないのです。だらだら食べ続けることをできるだけ控え、食後は歯磨きを怠らないこと、また寝る前は士官ブラシやフロスを通すことも忘れないようにしましょう。寝ている間の細菌の増殖を防ぐことは、むし歯や歯周病の発症リスクを低減させます。「食べない」ではなく「しっかりとケアする」ことを意識して過ごすことが大切です。

年末年始こそ「予防」の意識をしっかり持ちましょう

歯科医院が長期休診に入ることが多いのも、年末年始の特徴です。もしこの時期に歯の痛みなどのトラブルが起こると、すぐに受診できず、症状が悪化してしまうこともあります。特にむし歯は、しみる程度の痛さから神経に達する痛みになると、激痛を伴います。そのようなことを防ぐためにも、年末を迎える前に一度歯科検診を受けておくことは、とても有効な予防策です。

定期検診では、むし歯や歯周病のチェックだけでなく、歯石除去やクリーニングによってお口の中を清潔な状態に整えることができます。きれいな状態で年末年始を迎えることで、トラブルのリスクを大きく減らすことができます。

この時期は、一年間頑張ってきた自分へのご褒美でもある大切な時間です。美味しく食べて飲んで、しっかりとお口のケアも行いましょう。常に歯の健康を意識した予防を行うことで、安心して過ごしたいものですね。

コラム監修者 にしお歯科院長 西尾裕司
大阪大学歯学部を卒業後、医療法人江坂歯科医院に勤務、翌年院長に就任する。その後、
大阪府の歯科医院にて5年間勤務。