「毎日きちんと歯を磨いているのに、なぜかむし歯になりやすい…」と感じている方も多いのではないでしょうか。実は、むし歯のなりやすさは歯磨きの回数だけで決まるものではありません。だ液の量や歯の質、歯並び、食生活、生活習慣など、さまざまな要因が複雑に関係しています。むし歯を繰り返す方ほど、自分では気づいていないリスクが隠れていることも少なくありません。今回は、むし歯になりやすい人の特徴と、今日から始められる予防のポイントについてわかりやすくご紹介します。

毎日頑張って歯磨きしているのに・・・?

「毎日歯磨きをしているのに、なぜかいつもむし歯になってしまう」「家族はむし歯が少ないのに、自分だけ治療ばかり…」。そんな疑問を抱いたことはありませんか?

実は、むし歯のなりやすさには個人差があります。歯磨きの回数だけで決まるわけではなく、だ液の量や歯の形、食生活、生活習慣など、さまざまな要因が複雑に関係しています。むし歯は「歯が弱いから仕方ない」と諦める必要はありません。自分のリスクを知り、適切な予防を行うことで、むし歯をできるだけ防ぐことができます。

むし歯はなぜできるの?

むし歯は、甘いものだけが原因ではなく、いくつかの要素が重なって作られてしまいます。その相曽とは、以下の3つが考えられます。

  • ・むし歯菌

  • ・糖分

  • ・歯の質

この三つの要素に「時間」が加わることで発生します。お口の中の細菌は、砂糖などの糖分をエサにして酸を作り出します。この酸によって歯が溶かされる状態が長時間続くと、やがてむし歯になります。

つまり、「歯磨きをしているかどうか」だけではなく、お口の環境全体が大切なのです。

だ液の量が少ない人はむし歯になりやすい

また、だ液もむし歯に大きく関わります。だ液には、「酸を中和する」「細菌を洗い流す」「溶け始めた歯を修復する(再石灰化)」といった大切な働きがあります。

しかし、加齢、ストレス、睡眠不足、薬の副作用、口呼吸などによって、だ液の量が少なくなることがあります。お口が乾きやすい人や、朝起きた時に口のネバつきが気になる人は、むし歯リスクが高くなりやすいため注意が必要です。

歯の質や生えたばかりの歯も影響する

歯の強さにも個人差があります。特に乳歯や、生えたばかりの永久歯はまだ未成熟で、酸に弱い状態です。そのため、子どもの頃はもちろん、大人でも親知らずや新しく生えてきた歯はむし歯になりやすい傾向があります。

また、歯ぐきが下がって歯の根元が露出すると、その部分はエナメル質より柔らかいため、根元のむし歯が起こりやすくなります。

歯並びや歯の形も関係している

「頑張って磨いているのに磨き残しが多い」という方は、歯並びや歯の形が影響しているかもしれません。例えば、「奥歯の溝が深い」「歯が重なっていてガタガタした歯並び」「詰め物や被せ物が多い」などの場合、歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすくなります。汚れが残ったままにしておくと、当然むし歯リスクは高まってしまいます。

歯と歯の間や奥歯の溝は、歯ブラシだけでは完全に汚れを落とすことが難しいため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することも大切です。

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間食やダラダラ食べは大敵

むし歯になりやすい人に共通しているのが、「食べる回数の多さ」です。チョコレートやお菓子だけでなく、甘いカフェドリンクやポーツドリンク、ジュース、飴やガムなどを頻繁に口にしていると、お口の中が酸性の状態になる時間が長くなります。

特に注意したいのは「ダラダラ食べ」です。食事のたびにお口の中は酸性になりますが、本来ならだ液の働きで元の状態に戻ります。しかし、何度も間食を繰り返すと歯が修復される時間がなくなり、むし歯が進行しやすくなってしまいます。「何を食べるか」よりも「どのくらいの頻度で食べるか」が重要なのです。

歯磨きしているつもりでも、磨けていないことも

「1日3回磨いているから安心」と思っていても、磨き方によっては汚れが残っていることがあります。

特に磨き残しが多い場所は、奥歯の溝、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、一番奥の歯などです。短時間で済ませてしまったり、自己流の磨き方になっていたりすると、むし歯の元となるプラークが残りやすくなります。定期的に歯科医院でブラッシング指導を受けることで、自分では気づかない磨き癖を知ることができます。

夜の飲食はむし歯リスクを高める

だ液は細菌を洗い流してくれる働きがありますが、寝ている間は、だ液の分泌量が大きく減少します。そのため、一日の中でも、就寝前の歯磨きは特に重要です。

どれだけ疲れていても、寝る前だけは丁寧に歯を磨くことを心がけましょう。

定期検診が「むし歯になりやすい体質」を変える第一歩

むし歯になりやすい人でも、適切なケアを続ければリスクを下げることは十分可能です。

そのためには、

  • 1.正しい歯磨き

  • 2.デンタルフロスの活用

  • 3.間食の時間を決める

  • 4.フッ素による歯質強化

  • 5.定期的なクリーニングと検診

を継続することが大切です。

「何度もむし歯を繰り返してしまう」「ちゃんと磨いているのにむし歯になる」という方は、単純に歯磨き不足なのではなく、自分では気づかないリスクが隠れているのかもしれません。

むし歯は体質だからと諦めるのではなく、自分のお口の特徴を知り、予防を続けていくことが、将来も健康な歯を守るための第一歩です。定期検診を活用しながら、むし歯になりにくいお口づくりを目指していきましょう。

コラム監修者 にしお歯科院長 西尾裕司
大阪大学歯学部を卒業後、医療法人江坂歯科医院に勤務、翌年院長に就任する。その後、
大阪府の歯科医院にて5年間勤務