受け口に関しては、当院でもかなり多くの患者さんから質問を受けますが、先日
朝日新聞に『受け口治療は必要か』というタイトルの記事がありましたので、こ
こに一部抜粋して記載させていただきます。

4歳の孫娘が反対咬合(受け口)と診断され、昨夏、マウスピースで矯正する
治療を始めました。しかし、嫌がって5分ほどしかつけられず、1か月余りでやめてしまいました。無理に治療するのはかわいそうですが、将来を考えると、このままでいいのか心配です。(岡山県・Kさん)

Q.どう治療しますか?

A.矯正器具を使うのが基本です。取り外しができるかどうか、口の中につける
かどうかは器具で異なり、歯磨きや見た目の問題などそれぞれに長所短所があり
ます。抜歯や手術であごの骨を短縮、延長することもあります。 就寝時につけ
るマウスピース型は、乳歯のみの時期から永久歯への生え換わりの時期に使います。
治療は数年かかることもあります。

Q.治療は必要ですか?

A.かみ合わせが悪いと、食べ物を十分にかみ砕けません。反対咬合の成人は
正常なかみ合わせの人に比べ、胸やけや逆流性食道炎の症状がある人が多いと
の調査結果があります。発音に支障が出るほか、見た目が悪いと気にする人も
います。

Q.痛がる幼児にはどう対処すればいいですか?

A.歯科医が器具の調整をしても嫌がるなら一時中断し、本人が治療の必要性
を理解するようになるのを待ちましょう。永久歯への生え換わりで自然に治る
のは1割程度です。治っても成長期に再び、反対咬合になる可能性がある点に
も注意が必要です。(東京医科歯科大学教授 小野卓史先生)