歯科医院を選ぶ基準は人それぞれです。治療の腕が良いこと、スタッフの愛想が良いこと、交通の便が便利など、歯科医院を選ぶための基準はたくさんあり、どれを取っても大切なことであることは間違いありません。しかしどれだけ技術が高くてもスタッフが良くても、院内の衛生管理が清潔でなければどうでしょうか。

血液、唾液・・・歯科治療には感染の原因がたくさん!

細菌感染と聞くと、ぱっと思い浮かぶのがインフルエンザや胃腸炎ではないでしょうか。医科において細菌感染は毎日のように起こっています。しかし歯科医院は、意外にも感染の危険が多い医療機関であることをご存じでしょうか。歯科治療では血液や唾液を伴います。お口の中には非常に多くの細菌が存在しており、むし歯菌や歯周病菌などはその代表です。このような細菌が潜んでいる血液や唾液は歯を削るたび、或いは歯石除去を行うたびに周りに飛散しています。当然、使用した器具などにはその飛沫が付着しています。そのためしっかりとした衛生管理が行われていないと、患者様に感染の危険が及んでしまうのです。(細菌が身体に着いたからと言ってすぐに感染症を起こすということではありません。)

 

器具の徹底した滅菌、使い捨ては当たり前

安心して歯科治療を受けていただくためには、徹底した衛生管理が欠かせません。歯を削るタービンやファイルと呼ばれる根管治療の針、歯石除去用のチップなどは、使用後は速やかに消毒、高圧滅菌をして完全に除菌します。また紙コップやエプロン、お顔にかけるタオル、グローブ、フッ素塗布用の歯ブラシなども患者様ごとに新しいものに交換することは当然です。空気清浄器や口腔外バキュームの使用、インプラント治療専用の部屋が設けてあることが望ましく、常に清潔な環境の下で歯科治療を受けていただけるよう心がけることは、歯科医療従事者として当たり前です。

しかし、保険点数が低い為(衛生管理をいくら徹底しても保険収入が変わらない)に今もなお衛生管理をきちんとすることができない歯科医院があることも事実です。タービンやチップは拭いただけ、タオルは一日中使いいっぱなし・・・聞いているだけで寒気がするような環境の下で歯科治療を受けていただくことが、どういうことかおわかりになるでしょうか。

衛生環境に力を入れているかどうかもよくチェックしましょう

滅菌、消毒といった衛生管理に力を入れているかどうかは、歯科医院のホームぺージでチェックできます。滅菌消毒に力を入れている歯科医院では、その様子や取り組みを写真でも紹介しているものです。

またホームページを公開していない歯科医院の場合、ご自身の目で確かめることになります。そのポイントとしては、待合室や院内が明るく清潔感があること、ユニットにタービンなどが差しっぱなしになっていないこと、患者様ごとに使い捨ての手袋を交換していること、そして個室またはパーテーションで仕切ってある半個室があるかどうかなどです。また歯科用チェアーユニットの中のウォーターラインに除菌水を流している医院はかなり清潔レベルの高い医院だと思って間違いないです。

せっかく良い治療を受けても、院内感染を起こしては意味がありません。患者様ご自身も、しっかりとした生成意識を持って歯科医院を選ぶことが大切です。

 

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