むし歯治療のほとんどは、むし歯の部分を削って詰め物をして修復します。白いレジンで済む場合もあれば、神経に近い部分までむし歯が進行している場合もあります。この場合、レジンではなく、インレーと呼ばれる詰め物を詰めて修復します。

しかし修復したからといって、修復した素材が一生持つとは限りません。特に保険の詰め物は金属素材が使われますが、必ずと言っていいほど劣化し、再治療が必要になります。それはなぜでしょうか。

 

むし歯治療で使われる修復物について

浅い虫歯で使われるレジンは樹脂で、歯の色と合わせやすく、治療後は治療痕がほとんどわからないほど自然な仕上がりになります。小さな虫歯や犬歯までの前歯で適用となります。

 

いっぽう、臼歯部でやや深いむし歯の場合、神経を取らずに済む処置としてインレーが詰められます。型取りを行い、出来上がった修復物を詰めて機能を回復させます。

保険適用の場合、素材は金銀パラジウム合金となりますが、一昔前はアマルガムという素材を使って詰めていました。今の時代ではアマルガムは使われませんが、4~50代以降の方のお口の中にアマルガムが見受けられることが多々あります。

 

保険適用の素材の問題点とは?

保険を使ったむし歯治療は、安価で治療ができることが最大のメリットです。しかし、保険適用素材は「悪いところを治し、最低限の機能を修復させること」を目的としており、とりあえずはむし歯を取り除いて削った部分を修復するため、質の高い治療法ではありません。

 

そのため何年か経つと、必ずと言ってよいほど劣化が起きてきます。

 

レジンの場合は水分や汚れを吸収して変色し、歯とレジンの境目がはっきりとわかる、治療した部分がポロっと取れてしまうことがよくあります。

 

また金属のインレーは、歯と金属の間にごくわずかな段差が生じるため、その隙間から唾液が入り込んで少しずつセメントを溶かし始めます。インレーを付けているセメントが溶けだすと、次第にインレーが浮き上がりはじめ、そこへ虫歯菌が入り込んで内部に虫歯を作る「二次カリエス」になる恐れが高まります。

 

つまり人工物は必ず劣化し、いずれ再治療が必要になってくるのです。

 

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古い詰め物の修復と、むし歯から歯を守ること

むし歯治療は、歯を削って治療することが当たり前となっています。もちろんむし歯になってしまった部分は取り除かなければいけません。しかし保険適用の治療法では、どうしても劣化が起きてしまい、再治療を余儀なくされてしまいます。

 

古い詰め物の再治療は、セラミックなどの審美性の高い素材を使うことで改善が可能です。

 

しかし、どんなに優れた素材でも、天然の歯には決して適いません。古い詰め物を新しくリセットすることと併せて、今後むし歯を作らないよう、生活習慣の見直しや、定期検診に欠かさず通うことが重要になってくるでしょう。

 

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