何となく歯が痛い、違和感がある、歯ぐきが重苦しい・・・そんな不快症状の原因に、「合わない被せ物」が考えられます。では合わない被せ物によって、どんな症状が起こっていると考えられるのでしょうか。

 

合っていない被せ物が引き起こす症状とは

・歯周病

まず考えられることは、歯周病です。本来被せ物は歯とぴったり密着していなければいけませんが、不適合なクラウン(かぶせ物)が装着された場合、歯肉とクラウンの間に段差が生じるため、クラウンの周囲にプラーク(歯垢)や細菌が付着します。プラークはやがて歯石となり、新たなプラークがどんどん蓄積され、そこは細菌の温床となり、やがて歯周病を引き起こしてしまいます。歯周病になると歯肉が腫れるため、歯ぐきが出血しやすくなって重苦しい感じに襲われます。

また歯周病が進行すると、歯周組織だけでなく骨も吸収されてしまいます。そのため噛んだ時に痛みを感じることがあります。歯周病をそのままにしておくと、骨吸収が進み、歯がグラグラして保存することが難しくなってしまいます。

 

・歯ぐきに傷がつく

精密に作製されるべきクラウンですが、クラウンが少し大きく作られて歯肉を圧迫することになると、歯ぐきがクラウンの縁で押し込まれ、傷がいくことがあります。この状態で噛み続けると、歯肉に炎症が起こり歯ぐきが下がってしまいます。

 

・肩凝り、頭痛などの不定愁訴

合わないクラウンで噛んでいると噛み合わせに異常が生じてしまいます。噛み合わせが悪いと顎関節がずれてしまい、それが頸椎や脊椎に影響を及ぼし肩凝りや頭痛といった不定愁訴が起こりやすくなります。また歯ぎしりやかみ締めなどの癖も、肩凝りなどを引き起こす原因になります。

 

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精密で丁寧なクラウンで、症状を改善できる可能性が高まります

合っていない被せ物による不快症状をそのままにしておくと症状は悪化するばかりです。クラウンというのは、噛む機能を取り戻すための修復物です。再び噛むことができるようになることで、お口の健康を取り戻します。ところが噛んで痛みや不快感がある場合、クラウン本来の役目を果たせません。そればかりか、かえってお口の中の症状を悪化させてしまいます。クラウンをいったん外して様子を見るケースが多いでしょう。

不適合のクラウンの大多数は、保険治療による金属のクラウンです。いわゆる銀歯と呼ばれる保険の金属の被せ物は、どんなに精巧に作られても、わずかな段差が生じます。そのためプラークが溜まりやすく、歯周病を引き起こしやすくなるのです。治療費は安くなりますが、残念ながらそれと引き換えにお口の中の健康に問題を生じさせる治療法であるとも言えるでしょう。

いっぽうセラミックなど自費の素材の場合、プラークがつきにくい素材であるとともに、時間をかけて丁寧にじっくりと治療が行われ、被せ物も非常に丁寧に作製されます。もちろん銀歯でも、一流の歯科技工士により精密に作られますが、金属の特性上、どうしてもセラミックには劣ってしまうのです。

まずは合っていないクラウンを外し、しばらく様子を見るか、改善がない場合は必要な治療を行います。

健康な歯は精密な治療によって手に入れることが可能です。なんとなく違和感がある、噛むと少し痛い、口の臭いがひどくなったなどといった症状がある場合、お口の中の被せ物が原因かもしれません。このような症状がある場合、早めにかかりつけの歯科医院へ相談してみてください

 

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