正常な永久歯の数は上下合わせて28本、親知らずを含むと32本です。親知らずは生えてこない人もいれば、4本とも生えている人もあり、必ずしも生えてくるわけではありません。しかし親知らずを除く28本のうち、大臼歯と呼ばれる奥歯はとても大切な役割があると同時に、虫歯や歯周病で失いやすいというリスクもあります。

前歯を失うと見栄えの点でまず問題が生じますが。もし奥歯を失ってしまったら、どのような影響が出てしまうのでしょうか。

◆奥歯の役割について

一般的に呼ばれる奥歯は大臼歯と呼び、6歳臼歯と呼ばれる歯は第一大臼歯、13歳臼歯と呼ばれるその奥の歯は第二大臼歯と言います。4番目、5番目の歯は小臼歯で、それぞれ第一小臼歯、第二小臼歯と呼ばれています。

大臼歯の役割は前歯のような見た目ではなく、食べ物を噛む咀嚼機能です。上下の奥歯を使って食べ物をしっかりと噛み砕き、胃へと送り込まれます。

体の健康は、食事をしっかりと摂ることであり、よく噛んで食事することはメタボの予防や食べ過ぎなどの抑制になります。そのためには奥歯の健康が不可欠です。

◆むし歯になりやすい奥歯

しかし奥歯はむし歯リスクが比較的高い部位です。前歯は磨きやすく目立つため、恐らくしっかりと歯磨きされることでしょう。

これに対し奥歯は歯ブラシが届きにくく、汚れが残ってしまいがちです。大臼歯には溝があり、よく歯を磨かないとむし歯になってしまいます。

 

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◆歯周病に要注意

またむし歯だけでなく、歯周病も怖い病気です。歯周病になるとお口の中全体にわたり、歯周病菌の影響を受けてしまいます。奥歯の周りにプラークや歯石が溜まり、歯ぐきが腫れるといった症状が起こります。さらに症状が進行すると歯がグラグラし始め、噛むと痛みを感じるようになります。

歯周病はむし歯のように一本の歯だけに起こるのではなく、全ての歯に症状が起こりますので注意が必要です。

 

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◆もし奥歯を失ってしまうとどんな影響が出る?

ひどいむし歯や歯周病で奥歯を失ってしまうと、まず咀嚼機能に影響が出てしまいます。固いものなどをしっかりと噛むことができず、丸飲みに近い状態で胃に食べ物が送り込まれます。

しっかり噛んでこそ唾液が分泌され、食べ物と混ざって消化器官へ送り込まれますが、丸飲みになると胃腸に大変負担をかけてしまいます。

またしっかり噛むことは脳の活動を活発にします。しかし奥歯がないと噛めないため、脳への刺激が少なくなり、もの忘れや認知症と言ったリスクが高まります。

お顔の顔貌にも影響が出ます。奥歯がないと口元が痩せてしょんぼりとした印象になり、法令線が目立って老けて見えてしまいます。

噛む機能を失うと、このようなたくさんのリスクが生じてしまうことがおわかりいただけるでしょう。

 

特に第一大臼歯は噛むことにおいて欠かすことができない大切な歯です。6歳くらいに生え、一生大切にしなければならない長い付き合いとなります。日々のケアはもちろん、定期的にクリーニングを受け、歯の健康維持に努めましょう。